事業関連で立ち上げたり、副業したりなどでECサイトを始めたいけど、何からしたらいいのか分からないという方は多いでしょう。
ECサイトを始めるにはきちんとした戦略と準備が必要になりますので、今回は初心者の方に向けてECサイトの始め方について解説していきます。
ECサイトを1から始めてみたいという方はぜひ参考にしてください。
目次
ECサイトをきちんと始められる戦略の立ち上げ方
最初にECサイトを始めるにあたっては「戦略を練ること」が非常に大事なります。
商材を決める
まず、ECサイトで販売する商品を明確に決めておくことが重要です。販売する商品がどのようなものであるかによって、その後のサイトのコンセプトや目標が大きく影響を受けます。
たとえば、トレンドに合った商品を扱うのか、または長期的に支持されるような日常生活に寄り添う商品を提供するのかによって、選ぶ商品が異なるでしょう。
すでに店舗を持っていて扱う商品が決まっている場合も、インターネットでの販売を考慮して、新たなニーズに応じた商品を追加したり、パッケージを変更したりすることで、売れやすい商品展開を目指すことも一案です。
ECサイトのコンセプトを決める
次に、商材に基づいてECサイトのコンセプトを決めましょう。
例えば、ラグジュアリー感を演出して高級志向のECサイトにするか、手頃な価格で気軽に購入しやすいサイトにするかによって、ターゲットや販売戦略が大きく変わってきます。
コンセプトの違いは、PR方法やセールスライティングにも影響を及ぼすため、慎重に戦略を練ることが重要です。
ECサイトの目標設定
ECサイトの具体的な目標を定めることも欠かせません。サイトを立ち上げるにあたり、売上やアクセスなどの目標を軸に戦略を立てていくことが一般的です。目標例としては、
- 年間売上3000万円
- 年間アクセス1万PV
といったものが考えられます。売上、利益、アクセスなどの目標は、現実的かつ達成可能なものにすると効果的です。
あまりに高すぎる目標は、作業負担やコストの増加につながり、達成できなかった際のリスクも高まります。
確実に達成できそうな目標を設定して、着実な運営を目指しましょう。
ECサイトを始める前に準備すること
ECサイトの準備には時間がかかるため、早めに始められるように用意を整えておきましょう。
銀行口座の開設
ECサイトで売上を受け取るための銀行口座が必要です。すでに事業用の口座がある方は、その口座をそのまま使用することも可能です。
銀行口座は、インターネット上で通帳の閲覧や振り込みができるものを選ぶと、返金対応が必要な際にも迅速に対処できるでしょう。
オンラインでも便利に利用できる銀行としては、以下が挙げられます
- PayPay銀行
- 楽天銀行
- 三井住友銀行
これらから選んで、ECサイトに適した口座を準備しておきましょう。
ドメインの決定
ECサイトのドメインを決めましょう。ドメインは簡単に言うと「サイトのURL」のことです。
BASEやSTORESなどでは無料のURLを提供してくれる場合もありますが、SEO効果を高めるには独自ドメインが有利です。サイトを本格的に運営したい方は、ECサイトのコンセプトに合った独自ドメインを取得しておきましょう。
各担当者の準備
ECサイトを始めるにあたって各担当者の準備をすることも大切です。
例としては
- ECサイトの制作者
- ECサイトの運営者・ディレクション担当
- 受発注の管理人
- 商品の発送担当
- 商品の撮影担当
- 商品の編集・更新担当
- Webマーケティング担当
- カスタマー・お問い合わせ担当
ECサイトを始めた後で「この担当者がいない!」といったことにならないように、事前にどんな担当が必要か自分の中で確認しておくのも大事なポイントです。
各担当者に関してはECサイトを始める前に、どんな作業が発生するのかきちんと考えてジョインさせておきましょう。
ECサイトの始め方5選
ECサイトの始め方を5つ、分かりやすく紹介していきます。個人でECサイトを始める方から企業で始める方まで利用できる始め方をピックアップしました。自分に合ったECサイトの始め方をここから見つけましょう。
ECサイトを1から構築して始める
ECサイトの構築は難易度が高いと言われていますが、以下の手順を踏めば実現可能です。
- ECサイトのコンセプトを決める
- サーバーとドメインを取得する
- ワイヤーフレームを作成する
- 要件定義をする
- エンジニアに実装を依頼する
- 動作確認を行い、問題なければローンチ
ワイヤーフレーム作成やシステム実装が難しい場合は、外注を検討しましょう。予算と時間に余裕があれば、1からの構築によって理想のECサイトを作成できます。
ただし、プログラミング知識がない場合は、修正やエラー対応も外注が必要となり、即時対応が難しい点も考慮する必要があります。
ECサイトを制作会社に外注して始める
ECサイトを制作会社に依頼した場合、上記の「ECサイトを1から構築して始める」で紹介した内容を全て代行してもらえます。
自分で決めることが少なくなるので、非常に簡単にECサイトを始めることが可能です。
運営もできる会社に外注して始める
ECサイトの運営も任せられる会社に外注するとなお良いでしょう。
ECサイトの立ち上げから始め、簡単な運営やマーケティングも依頼することで非常にスムーズにECサイトを始めることができます。
運営の担当者を用意できるか心配だったり、最初はプロに任せたいという人はこの始め方がぴったりです。
有料ECサービスで始める
有料のECサービスを利用することで、以下のようなメリットがあります
- 高品質なサイトを簡単に構築可能
専門的な知識がなくても、プロフェッショナルなデザインや機能を備えたECサイトを手軽に作成できます。 - SEO対策に有利
多くの有料サービスは、検索エンジン最適化(SEO)に対応した機能を提供しており、検索結果での上位表示を目指しやすくなります。 - ECサイト専用の便利な機能が充実
在庫管理、決済システム、顧客管理など、EC運営に必要な機能が標準装備されており、効率的な運営が可能です。
予算に余裕があり、高機能なECサイトを立ち上げたい方は、有料のECサービスを検討してみてはいかがでしょうか。
代表的なサービスとして、以下が挙げられます
- MakeShop:多機能でカスタマイズ性が高く、幅広い業種に対応しています。
- カラーミーショップ:国内最大級の国産ECサイト作成サービスで、コストパフォーマンスに優れています。
- Shopify:世界的に利用されているサービスで、越境ECにも強みがあります。
- Eストア:中小企業向けのサービスで、使いやすさが特徴です。
- futureshop:アパレル・ファッションに特化した機能が充実しています。
各サービスの初期費用、月額費用、決済手数料などを比較し、自身のビジネスに最適なものを選択しましょう。
無料ECサービスで始める
近年、無料で利用できるECサービスが増加しています。これらのサービスには以下のようなメリットがあります
- 無料で即座にECサイトを開設可能
初期費用や月額費用が不要で、すぐにオンラインショップを始められます。 - 基本的なEC機能を標準装備
商品登録、在庫管理、注文管理など、ECサイト運営に必要な機能が揃っています。 - 多様な決済サービスに対応
クレジットカード決済やコンビニ決済など、主要な決済手段を無料で導入できるサービスも多く存在します。
Web集客に自信があり、迅速にECサイトを立ち上げたい方には、無料のECサービスが適しています。
代表的な無料ECサービスとして、「BASE」や「STORES」が挙げられます。
これらのサービスは、初心者でも簡単に操作できる設計となっており、短期間でオンラインショップを開設することが可能です。
ECサイトを始めて上手く売上を出すコツ
いざECサイトを始めても上手く売上が上がらないケースは多岐に渡ります。せっかくECサイトを始めてもお客さんが来なかったり、購入がなければ事業として全ての作業やコストが無駄になってしまいますよね。
そこで、ECサイトを始めて上手く売上を出すコツを5つ紹介していきます。
ペルソナを決める
よく「ターゲットを決める」と言いますが、ターゲットより深く購入者を推定しておくのが「ペルソナ」で、詳細な架空のお客さんを作り、その人に購入してもらえるよう戦略を立てる題材のことを言います。
ペルソナを決める際は下記の情報を決めて「架空の理想的なお客さん」を作りましょう。
- 性別
- 年齢
- 在住
- 職業
- 年収状況
- 趣味
- 性格
- 抱えやすい不満や悩み
- 使用しているパソコン・スマホ
上記の情報を仮定して、このお客さんに購入してもらえるようなECサイトを作り上げていきましょう。
ペルソナは深く決めておくほど分かりやすく、ECサイトのコンセプトを変更する際にも「このコンセプトだとペルソナの人は買わないよね」といった判断を下すことができます。
また、ペルソナを決める際は「実際にいそうな人」を作り上げるのがコツです。あまりにも理想的すぎて「実際にこんな人いる?」と思うような人をペルソナに設定してもその人に購入してもらえる難易度が上がってしまいます。
ペルソナを決定した後、日本にどれくらいこの人物像の人がいそうか?という観点からも設計しておきましょう。
経費と利益をしっかり考える
ECサイトを成功させるポイントとして、経費と利益をしっかりと管理することが重要です。最初から多くの売上を期待するのは難しいため、あらかじめどれだけの利益が見込めるかを計算することも大切です。
安価なECサイトは幅広い層に受け入れられやすいイメージがありますが、実際には売価に関わらず、利益率の高いサイトの方が成長させやすく、初心者にもおすすめとされています。
さらに、売上が出始めたものの「薄利」だと気づいた場合、経費を見直すことで利益を上げるチャンスです。
ネットショップだからといって経費が少ないわけではなく、原価、決済手数料、ECサービス利用料、人件費などが発生します。思うように利益が出ないと感じたら、これらの経費を一度見直してみましょう。
集客の目処を立てておく
事前にどのように集客をするのかも綿密に考えておきましょう。
集客の例としては
- Web広告
- プレスリリース
- SNS
- SEO対策
ECサイトの成功には、どのような集客方法を使って何人を集めるかをあらかじめ想定し、サイト開設後の集客スケジュールを立てると良いでしょう。
たとえば、「SNSで毎日投稿を続け、3ヶ月で3000フォロワーを目指す」など、具体的な目標を設定することが効果的です。もし3ヶ月後に目標に達しなかった場合、原因を分析し、改善策を講じることで効率的に集客を強化できます。
目標となるECサイトを決めよう
ECサイトを成功させるには、目標となるサイトを具体的に設定することが大切です。
「ユーザーが多いから」「売上が高いから」などの漠然とした基準で目標を決めるのではなく、「ハンドメイド商品がメインだからminneを参考にしよう」といったように、売上規模やコンセプトが近いサイトを目標にしましょう。
目標が明確であれば、集客方法やセールスライティングも参考にしやすくなり、よりECサイトの売上を上げるための施策に集中できます。
ECサイトに使う写真は綺麗なものを
ECサイトでの写真のクオリティを保つことは、集客以上に購入率を左右する重要な要素です。
どれだけ訪問者があっても、写真が魅力的でなければ購入に繋がらないことも多々あります。そのため、目標とするECサイトを参考にし、少なくとも同等のクオリティの写真が提供できるように準備しておくと良いでしょう。
また、サイトを運営していく中で写真を差し替えるのも有効です。
アクセス数があるのに購入が少ないと感じる場合、写真を改善することで効果が期待できます。
写真の質を上げるには、カメラマンを社内で雇うか、クラウドソーシングで外注する方法もあります。予算が許すのであれば、一度プロのカメラマンに撮影を依頼し、求めるクオリティを確保することもおすすめです。
まとめ
ECサイト運営は、事前のコンセプト決定や戦略によって、その後の運営方法が大きく変わります。
また、ECサイトは開設後の施策も重要であり、「ECサイトを始めること」がゴールにならないようにしましょう。ぜひ、今回ご紹介した方法を参考に戦略を練り、サイト開設後もPDCAサイクルをしっかりと回し、売上・利益の向上を目指してください。