ECサイト運営はスムーズに成功するとは限らず、課題にぶつかることがあります。
直面する課題は多くのECサイトで共通するものも多いため、よくある課題をあらかじめ知っていると、早めに対策することで改善できることが可能です。
今回はECサイト運営でぶつかりやすい5つの課題と解決につながる施策を詳しく解説します。
目次
ECサイト運営でぶつかりやすい5つの課題
集客
集客を課題に感じていると回答したEC事業者は多くおられるのではないでしょうか。
それもそのはず、ECサイトは実店舗とは異なり、自らアピールしなければ、顧客に見つけてもらえません。
現在はSEOやSNSなどさまざまな集客方法がありますが、どれも地道に取り組む必要があります。
即効性のある広告も効果的ですが、広告の種類によっては費用以上の成果を得られないこともあり、ECサイトにおいて集客はぶつかりやすいハードルです。
また、CRMツールなどを活用し「自動配信メール」「SNS運用」「広告」といった施策を行っているものの、結果が出ていないことも明らかになっており、課題と施策にズレがあると言えるでしょう。
集客が伸び悩んでいる理由を十分に分析し、原因に合った施策を講じることが大切です。
リピート購入
リピート購入に課題を感じているEC事業者も大勢おられます。
CRMツールは、MA(マーケティングオートメーション)やBI(ビジネスインテリジェンス)などバラつきがあり、課題に対してツールをうまく活用できていないのが現状です。
集客と同じように、なぜリピート購入が増えないかを明らかにし、顧客に合わせたアプローチが重要です。
客単価が上がらない
EC事業者の中には客単価の伸び悩みに課題を感じています。
客単価は、ECサイトの売上を構成する重要な要素であり、訪問者数やコンバージョン率が目標に達していても、客単価が低いと売上を最大化できません。
客単価が上がらない主な原因は、1人あたりの購入点数が少ない、1人あたりの購入単価が低いことです。
関連商品の購入を促す、商品の価格を見直すなど、購入点数と購入単価へのアプローチが必要になります。
初回購入
ECサイトは実店舗のように偶然見つけてもらうことを期待できないため、初回購入までに時間がかかる傾向があります。
初回購入が発生しなければ、リピーターを獲得することもできず、ECサイトの成長も期待しにくいです。
初回購入を促すためには、集客以外にも初回限定特典や豊富な決済手段の実装、会員登録不要のゲスト購入への対応など、初めての訪問でも購入しやすい環境を整えましょう。
顧客分析ができていない
ECサイトを訪問・利用した顧客の属性や購買履歴などを分析することで、ニーズに合った施策を実施し、効果的にアプローチできます。
ところが基本的なデータ解析にとどまっている、データから重要な傾向に気づけないなど、質の高い顧客分析ができていない事例も多いです。
顧客分析の項目、分析手法などを理解し、自社ECサイトの顧客層や傾向などを分析する必要があります。
ECサイト運営の課題を解決する方法
ECサイトでぶつかる課題の中でも、集客やリピート購入などは多くの事業者が悩んでいます。
自社サイトでも課題となる可能性がありますが、うまく解決できればECサイトを伸ばせるでしょう。
SEOや広告などマーケティングを強化する
ECサイトの集客は顧客にショップを見つけてもらうために、露出を増やす施策が効果的です。
検索エンジンで上位表示を狙うSEOに成功すると、商品・サービスに関連するワードで検索したユーザーにアプローチできます。
ユーザーのニーズに合ったキーワードを盛り込んだ記事を継続的に投稿することで、上位表示を目指すことが可能です。
効果が出るまでに時間がかかるものの、コストを抑えて実施できます。
広告はコストがかかりますが、即効性を期待できる方法です。
検索画面上部に表示されるリスティング広告、1度訪問したユーザーに再訪問を促すリターゲティング広告など、広告の特性を理解し活用してみましょう。
メールマガジンで再訪問を促す
リピート購入を増やすためには、メールマガジンでのアプローチがおすすめです。
メールマガジンでは、初回購入時に登録されたメールアドレスを利用し、お役立ち情報やセール情報などを配信できます。
ユーザーが求める情報やクーポンなどを定期的に配信することによって、顧客満足度を高められ、リピート促進が可能です。
一方でメールマガジンは、さまざまなECサイトやメディアで活用されているため、顧客には日々メールが届いています。
多くのメールの中に埋もれないように、タイトルや導入で興味を惹きつけるのがポイントです。
1度開封して有益ではないと判断されても開封率が下がってしまうので、読みたくなるメールマガジンを継続的に配信しましょう。
クロスセル・アップセルを実施する
客単価を高めるために、クロスセルやアップセルを実施してみましょう。
クロスセルとは、顧客が購入しようとしている商品のほかに別の商品を提案し、同時購入を促す手法です。
レコメンド機能でおすすめ商品や関連商品を表示することで「ついで買い」を促進できます。
アップセルは、購入しようとしている商品より価格の高い上位商品をアピールする方法です。
より良い特徴や機能などを提示し、上位商品を購入してもらうことによって、客単価を上げられます。
ただ、別商品の提案がしつこく表示されると、離脱の原因になる点に注意が必要です。
より関心の高いユーザーにのみ表示する、ニーズを満たす商品を表示するなど、適切なアプローチを心がけましょう。
SNSやアプリなどで顧客との接点を増やす
初回購入を促すためには、まず顧客に自社ECサイトを知ってもらう必要があります。ECサイトと顧客との接点を増やす方法は、SNSやアプリがおすすめです。
SNSでターゲットに向けて投稿を発信したり、アプリでお得な情報を配信したりするなど、ユーザーとのコミュニケーションによってECサイトへの訪問を促せます。
ECサイトを訪問してから購入までのハードルを超えるには、初回限定特典が効果的です。ポイントやクーポンのプレゼント、送料無料などの特典によって、初めての購入を期待できます。
また、ECサイトのレビューを充実させることも重要です。
好意的なレビューが多ければ、初めて訪問したユーザーから信頼を得やすく、初回購入を期待できます。
日頃から良い商品・サービスを提供し、レビューを蓄積していきましょう。
ユーザーの導線を見直し、戦略に取り入れる
顧客分析では顧客の属性や行動をリサーチし、集客やリピートなどの課題を解決する戦略に役立てることが大切です。
たとえばECサイトを訪問しているユーザーの属性において、女性が多いならSNSやメルマガ、ブログなどは女性向けに訴求すべきでしょう。
分析項目はさまざまで、購入回数や購入金額、会員在籍期間などに注目する手法もあります。
さまざまな手法を用いて、ユーザーの導線を見直し、適切な施策を実施しましょう。
また、顧客分析は施策を実施した後も行います。
施策を実施した結果、顧客の属性や行動がどのように変わったかを測定し、次の戦略に生かすのがポイントです。
まとめ
ECサイト運営で重要なコツは、施策の実施と効果測定をセットで行い、改善を繰り返すことです。
集客やリピート購入など課題TOP5に対する解決策を紹介しましたが、どれもいきなり効果が出るわけではありません。
施策を実施して終わりではなく、施策による効果を分析し、成果と課題を明らかにしましょう。
発見した課題を参考に施策を見直すことで、より良い施策を実施できます。
効果測定と改善を繰り返し、課題の解決策をブラッシュアップしていきましょう。