今回ゲスト、ヤマとカワ珈琲店 川下 康太 氏は、カフェ営業は行わず豆専門にこだわり、オンラインでも全国のお客様にお届けしています。カラーミーショップ大賞の2023年「地域賞」、2025年「優秀賞」を受賞され、InstagramやLINEを活用したファンづくりに定評があります。
川下氏に『お客様とのコミュニケーション』についてお話をお伺いしました!
▽ヤマとカワ珈琲店について教えてください。
長野を拠点に、元々は2014年に善光寺都長野駅の間あたりにある実店舗からスタートしました。当初、コーヒー豆を売りたいという思いはありましたが、一般的な流れとして「店内で飲んでもらって、その帰りに豆を買ってもらう」という王道のスタイルが良いのかなと思い、店内に有料の試飲スペースを数席設けて、豆の販売と並行してスタートしました。試飲スペースにカフェとしての利用目的の方が増えてくると、どうしても店が賑わって忙しくなりました。そんな中で豆だけを買いに来てくれたお客様が「忙しそうだから大丈夫です」と遠慮されてしまうことが増えたのです。コーヒー豆は「自宅でドリップしてはじめて価値が生まれる商品」だと考えていたので、自分のやりたい丁寧に豆の説明をする接客から離れてしまうと感じました。お客様が自宅でどう淹れているか、どんな悩みがあるかをきちんと聞きながら販売したいと思い、カフェの売上は良かったのですが、長い目で見ると本来やりたいことを優先した方が良いと感じ、開業3年で喫茶スペースをなくしました。カフェをやめたことで時間に余裕ができて、「もっと販路を広げたい」と思うようになり、ECに力を入れるようになりました。
▽どのように販路を広げたのですか?
最初に始めたのはブログです。ECのためというより、店頭で説明しきれないことを補う目的でした。「淹れ方はこちらにまとめてあります」とお伝えできるように、2018年頃から少しずつ記事を書き溜めていきました。その後、Instagramのリールで動画を発信できるようになり、長野県外の方にも知っていただいて、現在は実店舗2店舗と、自社ECサイトで展開しています。
結果的に、ブログはコンテンツマーケティングとして大きく機能しました。自宅で淹れる商品だからこそ「説明」が必要で、接客の延長として始めたブログがECとも相性が良かったのです。ブログを始めた当初は見てくれる人も少なかったのですが、リール動画の発信を始めた頃から「淹れ方の動画が分かりやすい」という声が増え、Instagramから入ってブログを見てもらい、そこからオンラインサイトに入ってもらうという流れができていきました。「Instagramを見てきました」というお客様が増え、認知のきっかけはInstagramが一番です。
Instagramは2018年頃から運用し、現在フォロワーは2.6万人。週2回のリール配信と週2回のInstagramライブを続けています。店頭で聞いたお客様の悩みへの回答が、オンラインの多くの方にも届くと気づき、質問に答える形式のリールは今でも人気です。
▽安売りをしない理由を教えてください。
長く続けていくことを考えると、値下げはできません。安売りで一時的にお客様が得をしても、店が続かなければ意味がありませんし、「安売りの時だけ買う」という状態にもなりがちです。それでは本質的ではないと考えています。
▽インスタライブで売れた実感はありますか?
あります。ライブではお客様と直接やり取りができ、新しい豆やブレンドが出た際には、美味しい淹れ方や実際に飲んだ感想をリアルタイムでお伝えします。お客様の質問にその場でお答えすることで安心感が生まれ、ライブの日は通常日より売上があります。
食品はECでは価格で選ばれやすく、移ろいやすい側面がありますが、こだわりをしっかり伝えることと、インスタライブでのコミュニケーションが購買の後押しになっていると感じています。
▽Instagramにライブコマース機能がついたらもっと売れると思いますか?
必ずしもそうとは思いません。インスタライブは基本的に「お客様の質問に答える場」として運用しています。カート機能がつくことで売り込み感が強くなると、本来の目的から離れてしまう可能性もあります。「新しいブレンドが出た」という、お客様にとって有益なタイミングでご紹介したいので、こちら側の都合で売り込むことはしていません。
このほかにも盛りだくさん、『お客様とのコミュニケーション』について公開しています!
『お客様とのコミュニケーション』をご検討中の企業様のご参考になるかと思います!
それでは、川下氏流『お客様とのコミュニケーション』、ぜひお楽しみください!
~第323回 ゲスト~
川下 康太 氏
ヤマとカワ珈琲店
2014年に長野市で「ヤマとカワ珈琲店」を創業。現在は、人口1,500人の木曽町・開田高原に焙煎所を構え、長野市と伊那市に店舗を展開する。カフェ営業は行わず、豆専門にこだわり、オンラインでも全国のお客様に届けている。カラーミーショップ大賞では、2023年「地域賞」、2025年「優秀賞」を受賞。InstagramやLINEを活用したファンづくりに定評があり、近年は企業や小規模事業者への支援にも取り組んでいる。
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