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2024年5月10日から5月16日までのECに関連する注目のニュースを5つピックアップして紹介します。本ニュースは物販ビジネス専門メディア「コマースピック」の提供でお送りしています。
本日ご紹介するニュースは次の5つです。
1、au PAY マーケットでeギフトサービスの提供を開始
2、体験施設の利用でZOZOTOWNの訪問頻度が約1.5倍、購入金額は約2倍に
3、ネクストエンジン、モール・カートを横断したデータの可視化を実現
4、デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用から見る消費動向
5、特定の美容成分に焦点を当てるX内でのトレンド調査・分析
1.au PAY マーケットでeギフトサービスの提供を開始
auコマース&ライフは、「au PAY マーケット」において、誰でも気軽に安心して商品を贈ることができる「誰でもギフト」の提供を開始しました。
誰でもギフトは、ギフトを贈りたい方の住所や本名を知らなくても、受け取り専用URLを渡すだけで手軽にギフトが贈れるサービスです。最近ではYahoo!ショッピングで提供されたことで話題になりましたが、au PAY マーケットでも導入が始まったことで、eギフトの利用がますます進んでいきそうですね。
2.体験施設の利用でZOZOTOWNの訪問頻度が約1.5倍、購入金額は約2倍に
ファッションEC「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOは、自分の「似合う」が見つかる超パーソナルスタイリングを無料で体験できるZOZO初のリアル店舗「niaulab(似合うラボ) by ZOZO」を2023年12月16日表参道にオープンしました。
似合うラボは、ZOZO独自のAIとプロのスタイリストの知見を掛け合わせ、2時間以上一人のお客様に貸切で、一人ひとりの「似合う」を見つけるサービスです。似合うラボは完全予約制で、抽選で当たった方だけが体験できます。累計約11万人の方々に応募いただき、平均応募倍率は100倍以上と、オープン後、今もなお多くの方々に応募されています。応募者の4分の1がZOZOTOWN新規会員やしばらく利用していなかった休眠会員の方であることから、既存ビジネスにも好影響を与えていることがわかります。
体験後、体験者のポジティブな行動変容も見えてきました。体験者のZOZOTOWNへの訪問頻度は約1.5倍に、さらにZOZOTOWNでの購入金額は約2倍に増えたのです。
1人のお客様に時間をかけて接客することで、オンラインの訪問頻度や購入金額が向上する事例として、ECと店舗の両方を持つファッション系の企業でも同様の施策を挑戦するきっかけになりそうですね。
3.ネクストエンジン、モール・カートを横断したデータの可視化を実現
NE(エヌイー)株式会社は、ネクストエンジンのデータを自動的に集計および可視化する「ダッシュボード」アプリのリリースを2024年5月中に予定していると発表しました。モール・カートを横断した分析環境の提供によって、EC事業者がより精度の高い戦略意思決定を効率的に行えるよう支援するとのことです。
「ダッシュボード」アプリでは、「ネクストエンジン」に蓄積されている受注データを集計・加工し、モール・カートを横断した分析環境が提供されます。条件を選択するだけで「販売チャネル全体でのデータ」や「個々のチャネルでのデータ」、「チャネル間でのリピート状況」など柔軟なデータの可視化が可能です。
モールやカートをまたいだ分析は利用環境によってはやりたくてもできなかった事業者様は一定数いらっしゃるのではないでしょうか。導入企業数の多いネクストエンジンでこのような機能が提供されるのは嬉しいニュースですね。
4.デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用から見る消費動向
日本インフォメーション株式会社は、デジタルネイティブ世代と呼ばれ流行に敏感な世代の情報収集・SNS利用がどのように行われているかを紐解いていくために、Y世代、X世代との世代間比較をしながら考察しました。
普段どのようなサイト・アプリを使用しているのかを確認したところ、まず情報、まとめ・キュレーションサイトでは、「Google」がいずれの年代でも最も高い結果でした。「Yahoo!ニュース」はZ世代で19.0%、Y世代で30.3%という回答に対し、X世代では58.1%と世代間での差が顕著になっています。続いてSNSでは、「LINE」がいずれの世代でも5割を超えて使われています。2番目に多いのはZ世代が「Instagram」、Y世代、X世代以上が「X」と違いが出ました。Z世代は流行りやトレンドが多く発信され、友達とのコミュニケーションとしても使われるInstagramを支持しているようです。
続いて、ショッピング通販サイトでは、Z世代、Y世代では「Amazon」が、X世代以上では「楽天市場」がトップになっています。また、Z世代女性では「SHEIN」が31.2%となっていて、低価格かつ商品数が多く自分好みのものが見つけられる点が支持されているようです。動画配信サイトでは、「YouTube」がいずれの年代でも高くなっており、一方で「YouTubeショート」はZ世代の選択率が高く、特に男性では42.2%でした。動画自体は世代問わず普及した一方で、TikTokやInstagramリールなどの普及もあってか、ショート動画はZ世代が中心のようです。
5.特定の美容成分に焦点を当てるX内でのトレンド調査・分析
トレンダーズ株式会社は、Xと共同で、Xにおける美容情報の発信や検索に関する調査分析を実施しています。今回は、ここ数年でトレンド化している美容成分である「レチノール」を対象に、2021年〜2023年のXでの投稿量や投稿内容について調査しました。
トレンダーズが行ったインターネット調査によると、「美容情報の収集先」として「X」と回答した人は48.7%にのぼり、約5割の女性がXで美容に関する情報を収集していることがわかっています。美容トレンドがXから生まれることは珍しくなく、「美容成分」のトレンド化にXでの会話の盛り上がりが大きな影響を与えるようになってきています。
X内での「レチノール」というワードを含む投稿数の推移を見てみると、2021年の11月頃から急激に増加していることがわかります。その後投稿数の増減はありながらも、2023年9月頃にかけて増加トレンドにあり、その後はダウントレンドにあることがわかりました。投稿量のピークは2023年の3月で、月間31万件を超える投稿がありました。
そこで、Googleでの検索数とあわせて、この投稿量の推移を見たところ、Xでの投稿量とGoogle検索数には比較的強い相関性があることがわかりました。こちらのグラフの通り、2021年の11月頃にはXで投稿数が大きく跳ね上がり、その数か月後にGoogleでの検索数も大きく増加しています。
さらに、具体的な投稿内容について時系列で分析すると、Xの投稿数が増加しはじめた2021年11月頃までは、美容医療関連の文脈での投稿が多く見られました。一方でスキンケアや美容成分に詳しい“美容オタク”なユーザーが、実験的にレチノールをスキンケアに取り入れて、肌状態の変化を報告するような投稿も目立ちました。
その後、2022年1月~2023年1月頃は、PRや広告表記のハッシュタグがついた投稿が増加しています。“美容オタク”層による投稿から、美容に興味関心が高い“美容ミーハー”層へと徐々に話題が広がった結果、トレンド成分として企業のプロモーション訴求に活用されだしたことが要因と考えられます。
2023年3月~9月頃になると、全体の投稿件数が増える中でPRや広告表記のハッシュタグの比率が減っており、いわゆるユーザーの自発的な“オーガニック投稿”が中心となっています。つまりこの時期には既に「レチノール」は広く知られた成分として認知が広がっているといえます。
特定のキーワードに絞ったトレンドの動きを示す大変興味深い調査結果ですね。
以上、ECの未来ニュースでした。この配信を役に立つと感じていただいた方は、いいねボタンのクリックとチャンネル登録をお願いします。それでは、また来週。ありがとうございました。
以上、ECの未来®NEWSでした。