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- 2025年11月14日から11月20日までのECに関連する注目のニュースを5つピックアップして紹介します。本ニュースは物販ビジネス専門メディア「コマースピック」の提供です。
本日ご紹介するニュースは次の5つです。
1、TSIが音声AI導入で代表電話を自動化し問い合わせ負荷を大幅削減
2、Amazon調査が示す年末ギフト予算1万1,102円と節約志向の同時攻略ヒント
3、Temuが累計12億DLで世界首位に 新興国発ECアプリ競争が激化
4、不正注文損失1,836億円時代!発送前確認がECの粗利とブランドを守る鍵に
5、EC表示が3秒超で8割が購入意欲低下 サイト速度が売上と信頼のボトルネック
1.TSIが音声AI導入で代表電話を自動化し問い合わせ負荷を大幅削減
TSIホールディングスは、代表電話に対話型音声AI「アイブリー」を導入し、多岐にわたる問い合わせを自動振り分けできる仕組みを整えました。これにより、店舗・商品・オンラインストア、採用やIRなどの入電をAIが一次対応し、適切な窓口へ誘導できるようになっています。従来は代表電話が現場の業務を止める要因となっていましたが、今回の導入によって担当者の稼働が本来業務へ戻り、全体のオペレーション効率が向上した点が注目されます。営業電話や不要不急の問い合わせが業務負荷につながる状況は、EC企業でも共通課題です。自動応対によって顧客が正しい窓口に素早くたどり着く導線が確保されるため、顧客体験の改善にも寄与します。TSIの事例は、業務効率化だけでなく顧客応対の質向上にもつながっており、人員不足を前提に運営するEC現場において、音声AIが実用段階に入っていることを示す象徴的な取り組みといえます。2.Amazon調査が示す年末ギフト予算1万1,102円と節約志向の同時攻略ヒント
Amazonが実施した「年末のお買い物に関する調査」では、ギフト予算が昨年比15%増の11,102円となり、単価上昇と節約志向が同時に進んでいる実態が明らかになりました。節約したい一方で、こだわりのアイテムにはしっかり投資する消費行動が続いており、EC事業者にとっては“価格訴求と価値訴求の両立”が求められる複雑な商戦期になっています。加えて、品揃えの幅、配送の確実性、利便性が購買判断の主要軸として浮上しました。特に配送リードタイムの信頼性がより重視されており、商品到着までの安心感をどれだけ提供できるかが競争力を左右する状況です。自分へのご褒美や体験ギフト需要の増加も続いており、ECに求められる“選べる幅”は広がっています。年末期の需要を取り込み、機会損失を防ぐためには、在庫・物流・商品訴求の三位一体での精度向上が不可欠です。3.Temuが累計12億DLで世界首位に 新興国発ECアプリ競争が激化
Sensor Towerの最新レポートによると、Temuは2023年から3年連続で世界ショッピングアプリDL数1位を維持し、累計12億DLを突破しました。月間アクティブユーザー数も5.3億に達し、ラテンアメリカやアフリカといった新興市場での利用拡大が成長の主因となっています。ラテンアメリカでは総DL数の3割を占めるなど、世界市場の重心が新興国へ確実にシフトしている点が特徴です。この変化は日本のEC事業者にも影響を及ぼします。Temuは、低価格戦略、広告最適化、配送の垂直統合を一体で展開するモデルを用いており、世界的な広告単価の変動や集客ルールの変化を引き起こす可能性があります。また、BlinkitやNaver Plus Storeなど地域に根ざした競合アプリが台頭しており、世界的に“アプリ体験競争”が激化しています。日本のEC施策も、SEO・広告・SNSのKPIを従来通りに考えるだけでは対応が難しくなりつつあり、市場構造の変化を前提にした集客戦略が求められています。4.不正注文損失1,836億円時代!発送前確認がECの粗利とブランドを守る鍵に
Spider Labsは、国内D2C市場における不正注文の推計損失額が2025年に1,836億円へ拡大する見込みであると発表しました。前年比78億円増と増加の一途をたどっており、初回割引の悪用や限定商品の買い占めを目的とした高度な転売スキームが背景にあります。特にBotやVPN偽装、使い捨てメールなど、正規ユーザーと識別しづらい手口が増えており、人手や簡易的なフィルタリングでは対応しきれない状況が続いています。同社が推奨する「発送前チェック」は、注文データを複合ロジックで分析し、不正の疑いがある注文を可視化したうえで出荷前に差し止める方法です。導入企業では、ピーク期の不正注文が3分の1まで減少した実績も報告されており、利益保護の観点で有効な対策といえます。セール期は不正が紛れ込みやすいため、カートシステムと連携したリアルタイム解析は、粗利の確保とブランド体験の維持の双方を支える“重要な運用プロセス”になりつつあります。5.EC表示が3秒超で8割が購入意欲低下 サイト速度が売上と信頼のボトルネック
ギャプライズが発表した調査では、ECサイトの読み込み速度が購入意欲に大きな影響を与えることが示されました。「遅いと感じるライン」が3秒未満という回答が約6割を占め、4秒を超えると離脱率が急上昇する傾向も確認されています。スマートフォン経由のアクセスが主流となる中で、読み込み速度はユーザー体験の中核となる指標です。調査では、年代を問わず不満点の上位に「表示速度の遅さ」と「入力項目の多さ」が挙がりました。これは、サイトパフォーマンスと購入導線の両方に改善余地があることを示しています。速度の低下は売上だけでなく信頼性の低下にも直結するため、画像圧縮、タグ最適化、外部スクリプト削減などのチューニングを継続的に実施することが重要です。高速表示が“基本品質”として求められるなか、EC事業者は計測と改善の運用を日常業務に組み込むことが求められています。以上、ECの未来®NEWSでした。
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