今回ゲスト、株式会社イミュー 黒田 康平 氏は、地域に根を張り日本を興すをコンセプトに、ふるさと納税を通じた自治体支援事業を展開、2023年9月には北海道白糠町にブリを扱う水産加工工場を設立され、ハードとソフトの両面から地域経済を起こしていらっしゃいます。
黒田氏に『ふるさと納税マーケティング』についてお伺いしました!
▽中間業者もしくは返礼品を提供者として実際どういうことをされていますか?
弊社の存在意義やビジョンをお話しすると、一次産業にもう少し力を持ってもらうというところです。
ふるさと納税が終わった後の世界を作ろうというのが、一つ重要なメッセージだと思います。ふるさと納税をポジティブに見れば、事業者側は無料で認知と資金を得られますし、一次産業でJAに出荷したり、ホクレンに出荷していただけの方がいきなりお客様を持つことができます。自治体と地域の事業者と一緒に事業を起こし、その中でいい事例を作っていき、その事例を見た色んな方が勇気づけられるような会社でありたい、というのが大きな目標になっています。
弊社は「ふるさとリピートマップ」という特許申請済みのものを作っており、ポータルサイトの数だけで30を超えます。自治体の担当者が毎日それを見て、YoYで今どうなっているかとか、それを商品別で見なければいけなかったり、余計な工数がかかるので、まずそれを可視化しようというのがツールの1つになります。
▽自治体のPRが出来ずにマーケティング寄りになっている気がします。
そこでマーケティング×リピートという話になりますが、まずは自治体のアクセス最大化が重要です。そして、リピートすると翌年のリピート率が飛躍的に上がるということです。これは色んな理由があるのですが、レビューに対して返事をするとか、そこをテンプレ化しないとか、地域の魅力が伝わるように入れていくとか、細部の施策としては重要になります。
toBの事業者がいらっしゃって、商品を出品して良いレビューが入った時は、自治体は喜んで事業者に伝えに行きますよね?その瞬間が嬉しく感じます。
▽自治体をもっと盛り上げるための取り組みなどありますか?
システムの部分でいうと、作業効率を上げることと、今の寄付が来年もちゃんと入ると可視化してあげることです。
リピート率である程度継続の方がいると、来年もここまではちゃんと入るということが分かるので、あとは新規をこれだけ獲得すればよいと計画に具体性が出ます。必要なことを一緒に協議して、このセグメントをかけて送りましょうとか、そういうことをやっていくシステムです。
具体的に何をやっているのかというと大きく2つあり、認識を作るということと、その手法を明確にするということです。認識はリピーターを作ることが寄付を上げること、自治体のPRをすることにも繋がるという認識です。これを持つことがすごく重要で、今までやってたポチポチExcelをやるようなことはできるだけシステムに任せて、必要なアクションは何だろうということを協議する時間がすごく重要です。そこに東京の我々が入っていくのは本末転倒です。中には自治体が事業者に丸投げしてしまうようなところも多いですが、自治体が事業者との間に入るべきだと私は思っています。
▽その他にも携わっていることはありますか?
ちょうど8月末に出来上がるのですが、白糠町という場所に鰤の製造工場を弊社で作っています。商品化したい、ブランディングしたいというのが発端で、ふるさと納税が終わった後もどういう世界を作るかというテーマのもと、もっと違う販路を作って安定的にご提供できるようにしています。
2000年ぐらいから、海水温の上昇で鰤が獲れ始め、北海道が日本で1番鰤が獲れる場所になりました。本州では鰤はよく食べられていますが、地元の方はあまり食べず、美味しくない魚という認識でした。向こうの方だと気づけない価値を私たちが一つ提供できたのかなということと、日本だけで鰤の市場は1500億円あるのですが、その内300億円が輸出になるので、外貨を稼ぐという意味でもいい商品だと思います。
氷見の鰤は1単価4000円で売買されていますが、昨年の白糠の漁業で水揚げされた鰤は品質はいいものですが300円でした。
北海道では獲るだけ、出荷するだけで、あまり良い処理ができる方が少ないので、物は良いけれど良い処理がされて豊洲に来ないというのが課題でした。ですので、私たちがそこに入って漁協組合と一緒にこういう処理をしてくださいと、だったら私たちはこのロックをしてこうしますと、そういうストーリーが作れるわけです。
この他にも盛りだくさん『マーケティング』について公開しています!
ふるさと納税を活用されたい企業様のご参考になるかと思います!
それでは黒田氏流『ふるさと納税後の顧客戦略』についてぜひお楽しみください!
~第215回 ゲスト~
黒田 康平 氏
株式会社イミュー
代表取締役社長
大手鉄鋼メーカーを脱サラ後、建築学生、フリーランスを経て、友人と立ち上げた日本酒のメキシコへの卸会社の役員に。その後ITベンチャーに入社し年商0円→70億円超のD2C事業経営や年商200億円企業の通販コンサルティングを実践後、2021年4月に株式会社イミューを設立。地域に根を張り日本を興すをコンセプトに、ふるさと納税を通じた自治体支援事業を展開。2023年9月には北海道白糠町にブリを扱う水産加工工場を設立。ハードとソフトの両面から地域経済を起こしている。